『Not So Bad』の話④ 付録ペーパー【Advnt21】

出した本について書く記事です。

前回(本文の話):

moji-ura.hatenablog.com

今回は『Not So Bad』の付録・新聞ペーパーについて書きます。

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新聞ペーパーA:The Revue Times

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新聞ペーパーB:La Justice

劇中世界で発行されている新聞……を模したペーパーです。
なぜこれを作ろうと思ったのかもう忘れかけているのですが、JAMさんはフリーペーパーとかのペラものを多く扱っていて、実績写真をよく見かけていたので、わいもやりたーい!て思ったんじゃなかろうか。

新聞っぽくしたい(紙)

あえてレトロ感つよめの紙を選びました。せっかくフィジカルなものをつくるなら質感を重視したい!ということで。インクと紙を以下にメモしておきます。

  • The Revue Times:茶色とシトロンの二色/クラフト紙
  • La Justice:紺と蛍光レッドの二色/レトロ紙-A

後者のレトロ紙-Aはやわらかめですが、かなり新聞っぽい質感になった気がする。

新聞っぽくしたい(フォント)

新聞といえばブラックレター! NYタイムズとかテレグラフとかの題字で使われている書体ですね。
「The Revue Times」にはブラックレターフォントのAmadorを選びました。ただ文字打っただけでそれっぽくなるのでたのしい。

ヨーロッパの新聞っぽいデザインってどんなんだろう…と各紙のデジタルライブラリをがさごそ漁りながらレイアウトしました。

「La Justice」のフォントは少し雰囲気を変えるべくFutura Blackのステンシルです。ここにもFutura
同名の新聞があったようですが、もちろん実在の諸々とは何ら関係がございません……。シンプルタイトルすぎて被ってしまった。
副題「Journal de la Police」のフォントはGothicus。Adobe Fontの恩恵に預かりまくっています。

「La Justice」の方は謎にスタンプっぽいものが載っています。各紙のライブラリを漁っていたとき、図書館所蔵の新聞には図書館の印が捺されていまして、印鑑かわいい!(こなみ)と思ったことがきっかけです。劇中の「La Justice」は図書館に所蔵されているわけではありませんが、元々印刷時に捺してあるという勝手設定にして捺しちゃいました。

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スタンプのデザインはDesignEvoで作成しました。王冠は深い意味はないけれども怪盗スタァライトとの関連イメージ、葉っぱは第99回聖翔祭のフローラの月桂冠イメージです。

でもスタンプ内のスペル間違えてた……🤗

二色刷りPSD

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分版前の段階のデータがあったので貼っておきます。

左側のレイヤーウィンドウで、茶色にするレイヤーを赤、シトロンにするレイヤーを黄色にマーキングしています。文字などはPC、手がきの絵はiPadで描いていたのでレイヤーがごちゃごちゃしていました。これである程度整理済みの段階かな。ここからさらに整理してレイヤー統合していくのめっちゃたいへんだった……。

小ネタ

そのほかに触れるとすれば小ネタですかね。

各新聞ペーパーの本文や広告欄に出てくる固有名詞はみんな架空ですが、だいたい何かしら由来があります。

はじめて描いたまひるいもはイギリスのつゆざきファームであるところのFarm of DewCapeのものでした。イギリスのつゆざきファームってなんやねん。

実物をお持ちの方は視認できると思いますが、このPotatoのキャッチコピーを「a rich taste hidden behind a simple façade」にしてました。朴訥とした外見の内に秘めた芳醇な味わい(早口)。

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このへんももう貼っちゃう。左が求人広告。なんか偉いポジにいそうなR. Sakuragieさんです。いったい何木先生なんだ。

右はわかりにくいかもしれませんがテーラーの広告で、制服とか衣装とかを扱っているらしい。横倒しコピーは「王すらも役者」の雰囲気仏語です(文法語法はおかしいかも)。いったい何姫さんなんだ。

その他、各新聞内には小ネタしかないので、少しでも楽しんでもらえていたら嬉しいです。

おわり

さて、長々と書いてきましたが『Not So Bad』についてはこれで最後です。

なにか思い出すことがあったら各記事にこっそり追記します。

二色刷り、とってもあたまがパンクしましたが、それ以上に楽しいのでぜひまたやりたい。あなたもやりましょう(巻き込み)。

本の実物についてはありがたいことに完売しております。ペーパーは数枚予備が残っている記憶があるので、イベント参加することがあれば持っていくかも。

お付き合いありがとうございました!

『Not So Bad』の話③ 本文【Advnt21】

出した本について書く記事です。前回のつづき。

『Not So Bad』2020.12

前回(表紙の話):

moji-ura.hatenablog.com

今回は本の全体的な話と、本文のデータづくりについて書きます。

ぼんやり設計

データづくりに着手する前に、どんな本を出すかぼんやりと設計します(ここが一番楽しいね🤪)。

小説の内容は別途ちまちまと検討&執筆を進め、ここではそれ以外の部分について。

  • JAMさんの冊子印刷は判型の自由度が高めなので、前から出してみたかった正方形の本にしよう!
  • 二色刷りでページ数が多いとあたまがばくはつするので、少なめのページ数にしよう!
  • インクや紙は好きなだけ変えられるので、インクと紙いろいろつかおう💡💡

などのことを考えました。IQ。

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設計メモ

 

このきたないメモはページごとの紙やインクの組み合わせなどを検討しているものです。ページ数を表紙込24pに仮置きした段階ですね。

イラストなどはPhotoshop、小説部分はInDesignで作成するためそのへんの整理も必要。

最終的にイラストなどは二色刷り、小説部分は一色刷りになりました。そんで、二色刷りのページと一色刷りのページで紙を変え、二色刷りのページはページごとにインクを変えることにしました。忙しい!

小説本文

上記で決めた仕様をもとに小説を組んでいきます。

正方形の本など出したことがないのでテンプレからつくる! たのしいね!

字詰とかをだいたい決めたところ↓

たてよこ138mm。一段組でもまあ問題ないサイズ感なのですが、二段にすると行文字数が雑誌みたいな感じになってかわいいかもしれんと思って二段にしました。感覚で生きている。

小説は一色刷りで、インクは茶色にしています。小説を組んだだけだとインク自体はそれほど目立たないので、どこかにインクを濃い目に載せたい気持ちになりました。よーし、ドロップキャップ入れよう。欧文組版では装飾的に使われたりするやつです。小説の舞台がパリ~ロンドンだし、合うのでは(適当)。

日本語組版は漢字かなカナ欧文が含まれるので派手なドロップキャップは作りにくい気がする。ここはたいへんシンプルに、章の1文字目だけ2行ぶんとって黒地・白抜きにしました。

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段落パネルでドロップキャップが設定できることを学んだ。

helpx.adobe.com

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行のドロップキャップ数:2

参考までに、InDesign作成分の入稿データは以下のようになりました。
[ブックレットをプリント]>[プリント設定]>[トンボと裁ち落とし]でトンボ(丸付きセンタートンボ)をつけたようだ。

薄々お気づきかと思いますが、この記事はほぼほぼ自分用の覚書です。

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小説部分の入稿ファイルは以下のとおり。

章単位とかではなく、印刷する紙単位でPDFファイルが分かれます。
↑にのっけたのが「17-8_Cha.pdf」です。

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すべて茶色インクで一色刷り。
小説の二色刷りとかももちろんやりたかった、が、二色刷りをするなら意味のある二色を効果的に使いたい(ハードルがたけえ)ので、今回は見送りました。れいせいなはんだん。

イラスト本文

イラスト部分は表紙と同様の作り方です。

中綴じ製本なので、たとえばP.9とP.16が一枚の紙に印刷されます。ここは「濃紺」と「スカイ」の二色で刷りました。

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濃紺版

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スカイ版

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カラーイメージ

Shoes of the dayは本編と特に関係のないおまけページです。くつ描くのたのしかった。

で、Photoshop作成分の入稿ファイルはこんな感じでした。

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  • P.3とP.22:ボルドーとラベンダーの二色
  • P.9とP.16:濃紺とスカイの二色
  • P.15とP.10:ボルドーと桃色の二色
  • P.21とP.4:茶色と橙色の二色

そのた

本をつくるときは、イメージ(主にサイズ感)をつかむためになるべく試し刷りをするようにしています。

製作前~中のスケッチとかが残っていたので貼っておく。

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表紙(中扉)の雰囲気を検討しているやつ

タイトル、Not GoodだったりButが入っていたりした。

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いろいろなスケッチ

特に本文では出てこないキャッチコピー「Unruly Kurokawa/Rampage Kurokawa」と「Square Maya」。(手書き、スペルミスが激しい。。

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最初タイトルのフォントこんなだった。カクカク

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インク色の検討メモとか

感想。

各データをつくってみて、二色刷りでがっつりイラスト本とか漫画本とかを出しているひとはマジで計画性があってすごいんだなぁということがわかりました。

私は絵すくなめ&混色考慮なし&半分以上一色刷りなのでかなり楽をしましたが、慣れない作業ですごくたいへんでした……!
小説本文めっちゃ短いのにこの本つくるのに数ヶ月かかりましたからね。夏から作り始めて冬に出た。

でも仕上がりがかわいくできたと思うので、全部オッケ~~~~(同人作家いつもこうなる)!!!!!

次回はおまけペーパーについて書きます。→書きました。

moji-ura.hatenablog.com

『Not So Bad』の話② 表紙【Advnt21】

出した本について書く記事です。

『Not So Bad』2020.12

https://moji-ura.tumblr.com/post/638824277014118400/not-so-bad

moji-ura.tumblr.com

今回は表紙づくりの話をしていきます。

前回の記事(チケット印刷について):

moji-ura.hatenablog.com

印刷所

『Not So Bad』は「二色刷りがやりた~~~~い」のモチベに基づいてつくられた本です。
最初から、印刷をレトロ印刷JAMさんにお願いする想定で作り始めました。たのしい印刷に関心のあるひと(?)の多くがご存知であろう、リソグラフシルクスクリーンの印刷で有名な会社さんです。

公式サイトの情報量がすごいのでぜひご覧になって深淵をのぞいてほしい。

retroinsatsu.com

JAMさんは同人印刷所ではないのですが、同人系の実績もたくさんあるので、安心して幻覚を入稿できます。

個人的には数年前に同人用の名刺を作ってもらったことがありました。これ↓
(※きたねえ字はペンで直書きしたもの)

この名刺は一色刷りでしたが、二色刷りいつかやりたいなぁ~という気持ちとともに数年過ごし、今回やっと初回チャレンジができました。

データをつくる

この本の印刷方式は孔版印刷というやつで、同人印刷のメニューで一般に「オフセット」とか「オンデマンド」とか呼んでいるものたちとは印刷のしかたが異なります。くわしくはぐぐってね。

一般的なカラー印刷では、フルカラーの原稿データを1枚つくってそれを入稿します。
孔版印刷では、たとえば赤・青の二色刷りを行う場合、赤色版のデータ、青色版のデータをそれぞれつくって入稿します。伝わるかな…!? かんたんにいうと版画をつくるのと一緒ですね。

実際に入稿した表紙データを載せます。
表紙は「水色」「朱色」の二色で刷りました。

用意されているテンプレートをPhotoshopで開き、水色で刷りたいところを黒(K)一色で作成。

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水色版

朱色で刷りたいところを同様に作成。

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朱色版

上記の2枚が入稿データで、これを一枚の紙に刷り重ねたときのカラーイメージを別途作成したものが以下です。

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完成イメージ(仕上がり見本)

二色刷り原稿のつくりかたは、データを完成イメージの色で作成して後から版ごとに分割する方法と、最初から版ごとに作成する方法があるみたいです。

あとから版を分割するのむずそう!!!!と思ったため、私の場合は最初から版ごとにレイヤー(最終的にはファイルも)をわけて、グレースケールで作成しました。
色の濃淡はインクのパーセンテージで指定しているのですが、濃度の値はほぼ勘でやりました。ワハハ。事前に刷り見本は熟読していたのですが、表紙はちょっとインク量多かったな~という反省があります。次に活かそう!

JAMさんの紙見本兼インク見本「あそびかたろぐ」、ちょうたのしいのでおすすめ。

カラーイメージの作成

JAMさんへの入稿時、入稿データ(グレスケで作成した各版のデータ)とは別に、仕上がり見本を同梱することが推奨されています。

上述しましたが、私の場合は最初からグレスケでデータを作ったので、色のついた仕上がり見本を別途作成する必要がありました。グレスケのデータにあとから色をつけるの、どうやるんや……😨となりました。

当時は色々(時間などが)限界だったので、グレスケのデータに色をつける方法がわからず死にかけていました。

  • 塗りつぶし、クリッピングマスクなどで色をつける→濃淡が再現されない
  • 色調補正系で色を変える→元が黒色だと色が変わらない

…などのことでつまずきました。

Photoshop、黒い部分の色を変えるのむずいんですよね。このときは結局ドキュメントモードの「ダブルトーン」を使いました。

  1. からっぽのフルカラードキュメントをつくる
  2. 朱色版のグレスケドキュメントをダブルトーンモードにして朱色をつける
  3. 水色版のグレスケドキュメントをダブルトーンモードにして水色をつける
  4. 手順1のドキュメントに手順2、3のレイヤーをコピペする
  5. 仕上がり見本完成

朱色版をつくるときはこんなかんじ↓

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グレスケの原稿で、[イメージ]>[モード]>[ダブルトーン]を選択。

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インクの数と色を指定。ここでは朱色版の原稿全体に対して朱色をあてています。
濃淡そのままでインク色が黒→朱に変わりました。

(後から調べましたが、どうやらPhotoshopでは「べた塗りレイヤー」機能で見た目の色を変えられるみたいです。次があれば使ってみよう)

仕上がり

表紙にはツヤプリ加工なるものを実施しています。インクに樹脂をのっけて熱でかためるので、印刷部分がツヤっとしてちょっとふくらみます。実物をお持ちの方はさわってみてね。

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用紙は「富士わら紙」です。藁の繊維がめっちゃ入っており、繊維の入り方で表情が違います。ひとつとして同じ表情はなく、手作り感があってかわいい。
当然ながらキャラクターのおかおのところなどにも普通に繊維が入るので、ごみだと思われてしまうかも……というのはありました。が、仕様です!(主張)

そのた・表紙の絵自体のこと

絵自体を描くのにもやたらと時間がかかったことを思い返しています。そもそもお絵を描き慣れていないというのに、どのように二色に分版するかを足りない頭で考えながら描いていました。こちとら常にあたまパニックやぞ。

案段階のざっくりラフが1こだけ残っていた。もじのならべかたは結構悩みました。

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表紙絵を描いているツリーは以下。

レトロ印刷にはインクの色が混ざる特徴があります。混色というおもろシステム(沼)なのですが、逆に言うと色を混ぜたくない場合は絶対にインクを重ねてはなりません。

今回の表紙は混色をするつもりがなかったので、色が重なる部分がないように神経をすり減ら…気を使いました。お暇な方は水色版と朱色版を見比べてみてね。たとえば朱色版での題字部分白抜きとかめっちゃがんばりました。白抜きをがんばるis何。

以上、表紙の話でした。

ここよくわからんからもっと説明して!とかあったらに投げてね。

次回は本文について書く予定です。→書きました。

本文の記録:

moji-ura.hatenablog.com

2022年の目標【Advnt21】

2022年になりました。
されどアドベントカレンダーは続く。

adventar.org

一年の目標を立てていこう!!!!

2020年に生活様式が変わり、そのまま変わりなく2021年を過ごしました。
2021年、けっこう……新鮮味に欠ける生活をしたな……という感覚があります。端的に言うとすんげェ~だらけました。だらけすぎた。

このままだらけた生活を送って虚無の老いをしていくのはやばい。
ということで、2022年は自分と生活をアップデートしていきたい所存です。

目標を例年より具体化。

2022年のおたく目標

  • 絵の練習をする!
    絵をかいてTwitterに投稿する:0.5~1こ/週
  • 小説の練習をする!
    いずれかのサービスに新作を投稿する:頻度検討中
  • ひみつのもくひょう(自分用覚書)
    5割達成する:2022年中

2022年の人間目標

  • 夜ふかしをなるべく避ける
    0時までに就寝:用事のあるとき以外
  • 読書or勉強タイムを習慣的につくる
    読書or勉強:5分~/日

1月なのでいしきたかめにいこ!!!!!!!

必要になったら途中で目標の軌道修正をするなども視野にいれます。

いっしょになにかをがんばるひといたらがんばろ🥳

『Not So Bad』の話① さいそくせんこうチケット【Advnt21】

それではメイキング記事執筆に最も時間がかかりそうな本『Not So Bad』の話に突入していきます。2020.12月に出した警警本です。

今回は①さいそくせんこうチケットについて。
イベント時のお品書き↓

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前記事でも言及しましたが、新刊がイベントに間に合わなかったのと、時勢もあり次以降のイベント参加予定がなかったので、必然的に新刊は通販のみで頒布することになりました。

イベント当日に持っていけるもの…何か…何かないのか!?と検討した結果、さいそくせんこうチケットにしよう💡とよくわからん案が発生しました。

からの、チケットだけというのもちょっとな…と急遽用意したコピー本(前記事)も併せて持っていきました。

(余談:この時期、某青い総合芸術院スピンオフ舞台のチケット戦争が起きており、最速先行に次ぐ先行に次ぐ先行、落選に次ぐ落選に次ぐ落選…!のような状況でした。あの頃はたいへんだった。ここらへんのヤバ状況に対するジョークとしての「さいそくせんこうチケット」です。どういうことやねん。)

さいそくせんこうチケットとは、一般通販に先駆けた先行通販の権利チケットです。チケットに記載されているURL・キーワードを用いると購入画面に進める…という形にすべく、BOOTHのシークレット公開機能を利用しました。

普通にペーパーとかも考えていましたが、チケット印刷がしてみたい!という好奇心のため、チケットの形で印刷することに。

↑これは新刊を諦めてチケットを作り始めたFleet。
イラストはすでにできあがっていた新刊表紙の流用です。

デザインがほぼ確定し、コンビニプリンタで試し刷りをした図。

レトロっぽい雰囲気を意識してみました。
Photoshopで直線を引くとき、何らかのブラシを選択した上で直線ツールを使えばそのブラシのまま直線が引ける!という当たり前なことに気づいたのがこのときです。鉛筆っぽい風合いのブラシで直線を引きました。外枠はどうだったか忘れましたが、内側の仕切り線などは鉛筆風になっているはず。

注文先は印刷通販のプリンパさん。

www.prinpa.net

以前ポストカードを作ったときに利用したことがあり、チケット印刷もやっているとのことでこちらにしました。紙の種類が豊富な印刷所さんです。

プリンパのテンプレートに載せた入稿データが以下。
チケットサイズだとこんなテンプレートになるんだ~~。って思った。こなみ。

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用紙はハイマッキンレーポスト180kgで、つるっとしていて触り心地がよいです。

チケットなんて通販URLにアクセスするときとかしか使わないものでしょうが、ちゃんと入稿して刷ってもらったものなので、よかったらしおりとかにしてね(今更)。いやしおりにするにはデカいけども。そうだな…ほら…雑誌読むときのドッグイヤーがわりとかで……無理にとはいいません。

ちなみにチケット印刷についてはこれ以前から調べていたのですが、公演などで使う際は座席番号とか通し番号とかを印刷できるプランもありますのよ。リアル舞台創造科なら知っているであろう。

もぎる用のミシン目もつけられます。ミシン目つけて遊びたかったけど、予算の関係で諦めました。それはそう。

チケット完成形の写真をちゃんと撮るのを忘れていたので、写真なし!

さいそくせんこうのシークレット通販、意外とたくさんの方にアクセス&ご注文いただけてありがたかったです。新刊間に合わなくてメンタル終了になっておったためとても支えられました。この場を借りてお礼申し上げます。

おわり。

表紙の記録↓

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『あんたの相手は私だけ』とコピー本印刷の話【Advnt21】

出した本を振り返る記事です。

(記事ほとんど書いたところで下書き保存して翌日開いたら全然保存されてなかったのでまたはじめから書いています。泣。)

コピー本『あんたの相手は私だけ』2020.11

https://moji-ura.tumblr.com/post/636382287645261824/%E3%81%82%E3%82%93%E3%81%9F%E3%81%AE%E7%9B%B8%E6%89%8B%E3%81%AF%E7%A7%81%E3%81%A0%E3%81%91

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突発コピー本です(また?????)。

判型はB6でした。ちょっと小さめのほうがかわいい気がしたのと、A5だと短い小説には1ページの字数が多いなーという面がありました。

元々出すつもりだった新刊がイベントに間に合わない状況になったので、急遽コピー本を作ることに。

前記事の『My Cup of Tea』は本にする前提で内容をいちから書いてつくったものでしたが、今回のはネタ帳にちまちま書いていた文章を引っ張り出してきて加筆したものです。

表紙

表紙を急いで描いている様子。すごいラフに色も塗った。

このあとPhotoshopで題字を追加していますが、題字のでざいん微妙だったなぁ~といまは反省しています。ただ文字打っただけなのででざいんのうちには入らんけど。

題字は以下の本文にも出てきますが、TBシネマ丸ゴシックを使用しました。今やAdobe Fontの対象からなくなってしまったフォント。今後使うことはないかもしれない……。

本文

本文を気合で書き上げ、仕上がりサイズ(B6)のInDesignドキュメントをつくります。

本文フォントはいつものリュウミン。ノンブルはポップめでいいかなーと思ってサンセリフ、とりあえずFuturaです。思考停止Futura! どこにでもFutura

(余談:某超有名タイプディレクターさまのブログ「ここにも Futura」、えんえんとFuturaの写真しかなくておすすめです。さすがにリンクは貼れない…!)

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さて、B6ドキュメントに対して「ブックレットを印刷」機能を使い、印刷サイズ(B5)のPDFにします。
中とじ印刷なので、1ページめと8ページめが1枚の紙に印刷されます。

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よく印刷機とかで「小冊子印刷」機能がありますが、それをデータの段階であらかじめやっているという形ですね。先に割り付けておくと、設定など変えずにそのまま刷ればいいので、コピー機キンコーズのスタッフさんの前でまごつかずに済みます。※個人の感想です。

印刷

データができたら例によってキンコーズに持ち込みます。

キンコーズでの手順について詳しく書いたことがなかった。
2020年11月当時の記憶なので現在は変更された点があるかもしれませんが、私の場合の手順をメモします。

うちは必ず用紙を変えるので(必ず用紙を変える🤪)、セルフサービスでの印刷ができず、スタッフさんに注文して刷ってもらう必要があります。

  1. 印刷するPDFをUSBメモリに保存して、キンコーズへゆく。
  2. カウンターでスタッフさんに「USBに入っているPDFを、用紙変更して刷りたいんです!!!」と言う。なにをどうしたいのかをはっきりいいましょう。
  3. 店頭PCを利用するよう言われるので、PCを借りる。
  4. PCにUSBメモリをぶっさし、Adobe AcrobatでPDFを開く。
  5. 印刷メニューで印刷機やサイズ、部数などを指定し、印刷ボタンを押下。
    • PC席のどこかに「モノクロ印刷の場合はこの印刷機、カラー印刷の場合はこの印刷機を指定しろ!」の旨が書いてあるので、それに従います。
  6. 注文用紙に、上記で設定したサイズや部数と、使用したい紙を記入する。
    • PC席のどこかに用紙一覧ファイルみたいなやつがあるので、使いたい紙の名前とコードを注文用紙に転記します。
  7. PCの利用を終了し、注文用紙をスタッフさんに提出する。
  8. しばらく待つと、スタッフさんから刷りたてほやほややつを渡される。
  9. 精算する。紙を変更した場合は印刷代のほかに紙代がかかります。
  10. 製本する場合はそこらへんの作業台で作業し、完成!

書くとけっこうなげえな。

用紙を変えなければもっとシンプルにできるし、そもそもセルフサービスでできます!

キンコーズのコピー本特設ページを発見した!
みんなもコピ本つくろうね。

www.kinkos.co.jp

このコピ本で使った紙は、表紙がたしか前回同様のオーロラコートでした。気に入ってんな。
本文が色上質紙の水色っぽいやつなので、「あさぎ」かな。表紙の色的にはピンクのほうが合うかもしれないのですが、大人向けの小説でピンクの紙にするのはなんか恥ずかしかったのであえての水色系にしました。あと、前回アイボリーにしたからアイボリーは使いたくなかった(?)という謎の理由もあります。

おわり。

 

本の本文はPixivにて全文公開しています。※リンク先R-18

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『My Cup of Tea』の話【Advnt21】

出した本を振り返る記事です。
今年出した本を振り返る、といきたいところですが、昨年(2020年)はアドベントカレンダーをやる時間がなくスキップしていたのでした。
よって、2020年に出した本から振り返っていきます。

2019年に出した本の振り返りはnoteにあります。はてなブログを継続利用する気持ちになったら記事をこっちに移動してくるかもしれません。

振り返りは本の内容についてというより、データ制作の過程や装丁などについてがメインです。

コピー本『My Cup of Tea』2020.03

https://moji-ura.tumblr.com/post/611481687069802496/my-cup-of-tea

moji-ura.tumblr.com

突発コピー本です(突発本しか出さねえなこいつ)。

コピー本でも多少は見目よくしたいなぁという思いがあったので、判型をA6にしました。文庫サイズ。ただし横。

この本についてはTwitterに本作りメイキングを上げていたので、それをそのまま貼ります。横着者であるため。

突発とはいえある程度の準備期間を設けることができたので、ちょっとだけ手間をかけることにしました。

出来上がりサイズがA6。A6~A5の紙に直接印刷するのは難しいので、A4以上の紙に刷って裁つことになります。全員知ってる前提で話してたけどA4の1/2がA5、A5の1/2がA6です! つまりA4の1/4がA6ですね。

裁つ前のA4データをどうやってつくるのがよいか悩みましたが、InDesignドキュメントをA5でつくる→「ブックレットを印刷」という機能でA4に割り付ける、ということをしました。

『A Cloak』のとき(A7のInDesignドキュメントをPDFにしてからA4のPSDに8枚割り付けていた)よりは成長した。でも未だに豆本の正しい割り付け方はわかっていません。最初からInDesignドキュメントをA4で作るのが品質上いいかな…。

お絵はPhotoshopで描いていたと思います。そのあとPhotoshopIllustratorでトンボつけてますね。このトンボが役立ったかどうかは……微妙。ないよりはよかった◎

余談:裏表紙、二人の名前がクロスしているのはStar Paradeジャケットおよびブックレットのコンポジションを意識したものです。劇スでも二人のシーンで十字(十字架)が出てきてニコ…とした。

キンコーズはモノクロ小説本文をすごくきれいに刷ってくれるので、文章のコピー本を出す人には大変おすすめです。コンビニコピー機では文字がちょっとかすれちゃうところとかもキンコーズではマットにしっかりインクを載せてくれます。これはマジ。キンコーズの品質に慣らされてしまったオタク。

そういえばA5ドキュメントの段階で裁つための点線をまんなかに引いていました。

ここまではまだ断裁楽しかったです。

カラー表紙を刷る場合にもやはりキンコーズが最高です(回し者?)。なにがいいって紙を選べる!

オーロラコート、この真緑なグリーンをきれいに刷ってくれてとても個人的評価がUPしました。

中綴じ用ホチキスを持ち込んでいたので、ここらへんでいっぱいステープルしました。

まとまった数の断裁をして腕が死んだ回。
まだ…まだある…となりながらディスクカッターを動かし続ける時間は無限のようであった。断裁は機械にやってもらえるならそのほうがいいです。それはそう。

完成形です。

ちなみにこのツリーは増刷分をつくりながら撮影したものです。
イベント当日分は当日朝から作っていました(計画性)。イベント遅刻確定しつつ断裁やホチキスをしていたときの焦り! ゆえに当日分は断裁時の紙のきれっぱしとかが結構はさまっていたと思います……。お手にとってくださった方、ありがとうございました。

物理的な本作り(?)の序の口という感じでしたね。
楽しかったし出来上がりには満足できたので良い思い出です◎◎

おわり。

 

この本の本文はPixivにて全文公開しています。

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