『My Cup of Tea』の話【Advnt21】
出した本を振り返る記事です。
今年出した本を振り返る、といきたいところですが、昨年(2020年)はアドベントカレンダーをやる時間がなくスキップしていたのでした。
よって、2020年に出した本から振り返っていきます。
2019年に出した本の振り返りはnoteにあります。はてなブログを継続利用する気持ちになったら記事をこっちに移動してくるかもしれません。
振り返りは本の内容についてというより、データ制作の過程や装丁などについてがメインです。
コピー本『My Cup of Tea』2020.03
突発コピー本です(突発本しか出さねえなこいつ)。
コピー本でも多少は見目よくしたいなぁという思いがあったので、判型をA6にしました。文庫サイズ。ただし横。
この本についてはTwitterに本作りメイキングを上げていたので、それをそのまま貼ります。横着者であるため。
【MCoT】唐突なメイキングのコ~ナ~です。その①:まずA6横形のドキュメントを作成します。なんでそんなめんどい判型にしたの? かわいいと思ったからです……。 pic.twitter.com/TKKC4QlHrX
— S. Karauch🤹♂️ (@egmfyw) 2020年3月23日
突発とはいえある程度の準備期間を設けることができたので、ちょっとだけ手間をかけることにしました。
その②:A6ままではそこらへんのコピー機で刷れないので、刷れそうなサイズにします(謎の手間)。①でつくったA6横のドキュメントをそのまんまぺいっとA5のドキュメントに貼り付けます。上下に同じものをぺいっとします。 pic.twitter.com/muzXXgLnDY
— S. Karauch🤹♂️ (@egmfyw) 2020年3月23日
③:②で作ったA5のドキュメントをいいかんじにアレして、A4横に割り付けます。そこらへんのコピー機で気軽に刷れるサイズになりました。いいかんじにアレしたので、このまま刷って重ねて真ん中で折れば本になります。わ~い。ここまでで五億時間かかった pic.twitter.com/ruGKrHEKT1
— S. Karauch🤹♂️ (@egmfyw) 2020年3月23日
出来上がりサイズがA6。A6~A5の紙に直接印刷するのは難しいので、A4以上の紙に刷って裁つことになります。全員知ってる前提で話してたけどA4の1/2がA5、A5の1/2がA6です! つまりA4の1/4がA6ですね。
裁つ前のA4データをどうやってつくるのがよいか悩みましたが、InDesignドキュメントをA5でつくる→「ブックレットを印刷」という機能でA4に割り付ける、ということをしました。
『A Cloak』のとき(A7のInDesignドキュメントをPDFにしてからA4のPSDに8枚割り付けていた)よりは成長した。でも未だに豆本の正しい割り付け方はわかっていません。最初からInDesignドキュメントをA4で作るのが品質上いいかな…。
④:並行して表紙を描いてました。こっちも描いたあと上下に同じものをならべて刷りやすいサイズにします。A6サイズを四個ならべつつ裁ち落とすことになるので、A3で刷ります。トンボのつけ方が適当すぎるし本文の紙厚のことなどはまったく考えていない。 pic.twitter.com/RyKyByAoTb
— S. Karauch🤹♂️ (@egmfyw) 2020年3月23日
お絵はPhotoshopで描いていたと思います。そのあとPhotoshopかIllustratorでトンボつけてますね。このトンボが役立ったかどうかは……微妙。ないよりはよかった◎
余談:裏表紙、二人の名前がクロスしているのはStar Paradeジャケットおよびブックレットのコンポジションを意識したものです。劇スでも二人のシーンで十字(十字架)が出てきてニコ…とした。
⑤:ということで刷り完了。本文の紙はキンコーズの本文用常備紙のなかで最愛かもしれない色上質紙のアイボリーです。なんかのペーパーとかでも使ったことあった記憶。同クリームも候補ではありましたが、やさしめにしたかったので黄色みの弱いこっちにしました。計画性がないので、折り目は手動です。 pic.twitter.com/nIfXfjtLEs
— S. Karauch🤹♂️ (@egmfyw) 2020年3月24日
キンコーズはモノクロ小説本文をすごくきれいに刷ってくれるので、文章のコピー本を出す人には大変おすすめです。コンビニコピー機では文字がちょっとかすれちゃうところとかもキンコーズではマットにしっかりインクを載せてくれます。これはマジ。キンコーズの品質に慣らされてしまったオタク。
⑥:ここからは鬼の顔👹(ちからが要るため)をしながらひたすら半分に裁ちます。厚みがありすぎると断裁に失敗することを学んだので、基本1部か2部ずつくらいで作業。このディスクカッターの使い方を習得しました。 pic.twitter.com/pKHm7AxsbG
— S. Karauch🤹♂️ (@egmfyw) 2020年3月24日
そういえばA5ドキュメントの段階で裁つための点線をまんなかに引いていました。
ここまではまだ断裁楽しかったです。
⑦:表紙も真ん中でざっくり分割したところです。表紙はうちの真ク本であんまり使わなそうな色であるところのグリーンにしてみましたが、案外あり(と作者は思っている)。発色よくしたかったので用紙には少し光沢のあるオーロラコートを選びました。厚すぎずちょうどよかった(と作者は思っている)。 pic.twitter.com/YdT8hGBqQF
— S. Karauch🤹♂️ (@egmfyw) 2020年3月24日
カラー表紙を刷る場合にもやはりキンコーズが最高です(回し者?)。なにがいいって紙を選べる!
オーロラコート、この真緑なグリーンをきれいに刷ってくれてとても個人的評価がUPしました。
⑧:表紙の天地を裁ち落として本文をはさんだところです。完成形が見えてきた。裁ち落としまわり、どう考えてももう少し工夫のしようがあったと思う……。 pic.twitter.com/60gsEueQ9m
— S. Karauch🤹♂️ (@egmfyw) 2020年3月24日
中綴じ用ホチキスを持ち込んでいたので、ここらへんでいっぱいステープルしました。
⑨:小口をばすっと切りました。本になった! いえ〜い。もっとも多くの紙が重なっている状態でばすっとするので私の利き腕が無事に爆弾を抱えました。ここまでで7億時間ほど作業台に滞在していたため、店員さんの視線が気になる。 pic.twitter.com/AES7WHdQgE
— S. Karauch🤹♂️ (@egmfyw) 2020年3月24日
まとまった数の断裁をして腕が死んだ回。
まだ…まだある…となりながらディスクカッターを動かし続ける時間は無限のようであった。断裁は機械にやってもらえるならそのほうがいいです。それはそう。
⑩:状態により天地を裁ち落としたり天のみ/地のみ裁ち落としたりして、完成! 主に私の不器用により残念な部分もありますが、一応想定どおりにできました。 pic.twitter.com/0Xi2XNWnF1
— S. Karauch🤹♂️ (@egmfyw) 2020年3月24日
完成形です。
ちなみにこのツリーは増刷分をつくりながら撮影したものです。
イベント当日分は当日朝から作っていました(計画性)。イベント遅刻確定しつつ断裁やホチキスをしていたときの焦り! ゆえに当日分は断裁時の紙のきれっぱしとかが結構はさまっていたと思います……。お手にとってくださった方、ありがとうございました。
物理的な本作り(?)の序の口という感じでしたね。
楽しかったし出来上がりには満足できたので良い思い出です◎◎
おわり。
この本の本文はPixivにて全文公開しています。